造形用ソフトウェアの自動配置機能が最善ではないこともある
本記事の内容が当てはまる造形方式
- 全て
- モデルの向きを意識する
ここでは造形物の品質を高めるための、モデル配置の注意点について解説します。下の図1、図2のイラストのモデル配置を見ると各モデルの向きに違いがあることが分かると思います。どちらも同じ3Dプリンターにて造形するモデルを配置した状態ですが、左がソフトウェアの自動配置機能を使用したもの、右が手動にてモデルの配置位置と向きを調整したものです。左はモデルによって長手方向の向きが異なっていますが、右は手動での調整を行い全て揃えてあります。ヘッドの走査方向(XY)によって樹脂の収縮率に違いが出る為、組み合わせて使用する部品(例:箱とその蓋)などでは部品の向きとヘッドの走査方向によっては、組み合わせをした際に合わない等の問題が出ることもあります。その場合はモデルの向きを手動にて調整することで改善されることがあります。
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図1
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図2
- 自動配置が何を評価するかはソフトウェア次第
造形を行う際に使用するソフトウェアでの自動配置は主に、Z方向(積層方向、高さ方向)が最小となること、樹脂使用量が最小となることなどが優先され配置位置・向きの変更が行われます。その為、上記の様な箱とその蓋などを造形する際にモデルの向きが異なってしまうこともあります。また、部品の主要な面が斜め向きに配置されたり意匠形状の再現性などが無視された配置となることもあります。その場合、手動にて部品の姿勢を調整することで、部品の必要精度や形状、使用用途にあった配置を行うことも出来ます。手動での配置の調整後には造形が可能かの確認作業(重なりやはみ出しがないか)を行うことが必要となります。