造形方向によるモデルの強度
本記事の内容が当てはまる造形方式
- 全て
- 造形方向
3Dプリンターで造形する場合、どの向きで造形するかを決める必要があります。造形方向により造形モデルに①表面仕上がりと品質(縦方向に積層断面がでます)②モデルの強度(縦方向の強度が弱くなります)③造形時間(SLSの場合、縦方向に比例します)④サポート除去の簡単さと時間の違いが出ます。
図1
下から一層ずつ積み上げる
- 造形方向と造形強度
図1のように3Dプリンターは縦方向に積み上げてモデルを造形します。そのため造形されたモデルは、横方向に比べ縦方向の引張強度が弱くなります。(反対向きの圧縮強度には、引張りほど大きな差はでません)
そのため図2左のようにモデルの先端が細く強度が弱そうな形状を造形するときは、右図のように造形方向を変え強度が必要な方向を横方向にして造形することにより、細い先端部分に強度を持たせた造形ができるようになります。
図2
3Dプリンターで造形を行うとき、上記の特徴を考慮しモデルの使用目的にあった造形方向を決めるといいですが、実際は造形してみないと判断がつかないこともあります。その場合は、方向が違うパターンで複数モデルを造形し比較検討してみることがいいかもしれません。このように、条件が違うモデルを素早く比較検討できることも3Dプリンターの特徴かもしれないですね。
(武藤 勝)