技術者が語る 3Dプリンターのいろは

3DデータのSTL化の精度の造形物の違い

本記事の内容が当てはまる造形方式

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3Dデータ→STLデータ

3Dプリンターで造形する際に、全ての形状を微小な三角形の平板(ポリゴン)で表現するSTLデータという形式のファイルを使用します。3DCADで設計したモデルをSTLデータとしてエクスポートする際に変換精度の設定をするのですが、精度設定が粗いと、円が多角形になる・曲面が角張った面になる等の不具合が起こります。

STL化の変換精度

STLデータとしてエクスポートする際の変換精度の値とは何か。この値は図1で説明すると、3Dモデルの形状とSTLデータの形状の誤差の値です。図2に直径30mmの球を変換精度を左から0.01mm、0.1mm、1mmとしたときのポリゴンの様子を示します。つまり、この値を小さくすればするほど、STLデータが3Dモデルの形状に近づくことがわかります。

画像1:STL化の変換精度

図1

画像2:STL化の変換精度

図2

実際の造形物はこうなる。

実際に図2のポリゴンの形状を3Dプリンタで造形するとどうなるのか。図3はその造形物の写真です。 変換精度0.01mmでは滑らかな球体といえますが、変換精度0.1mmではうっすらと角張っているのがわかり、変換精度1mmではとても球体とはいえないぐらいの形状になってしまいます。このような失敗を防ぐためにも、3DデータをSTL化した際には、STLデータの形状の確認が必要です。

実際の造形物はこうなる。

図3

(小林 峻)

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