角(かど)をシャープに造形するには。
本記事の内容が当てはまる造形方式
- MJ
- 角がダレやすい。
数種類ある造形方式の中でも、マテリアルジェッティング方式は、高精細で滑らかな表面のモデルを造形しやすく、精度が求められる造形物の出力に適しています。そのため、型や治具といった用途にも使用されます。一方、インクジェットヘッドから噴射した樹脂を、一層一層、紫外線で固めて積層する方式のため、どうしても、造形物の角(稜線部)に、R0.5程度のダレが発生しやすく、シャープなエッジになりません。
- 角がダレると困るケース
角がダレると困るケースの例として、型を造形した場合の稜線があげられます。図1のように、型の製品形成部の稜線にR0.5が付いてしまうと、成形品には、あたかもバリのような形状が転写され、外観を損ねます。
- 角をシャープに造形するポイント
角をシャープに造るためには、図2のように、角にしたい箇所の壁面全体をサポート材で覆うことにより、角のダレを防ぐ方法があります。ただこの場合は、壁面に付着するサポート材の除去後に壁面が荒れます。それを嫌う場合は、図3のような突起形状をモデルに付加することで、サポート材を使用せずに、シャープな角を造形で得ることができます。この場合、ダレる部分を補うように、突起形状部がなだらかとなり、結果的に角が造形されます。