大きなサイズ(大物部品)の造形
本記事の内容が当てはまる造形方式
- SLS
- 3Dプリンターの最大造形エリア
3Dプリンターによる最大造形サイズは、チャンバー(造形エリア)の大きさで決まります。
(機種の最大造形エリア:W×D×H mm)
SLS:RICOH AMS5500p:550×550×500
FDM:Stratasys Fortus 900mc:914×640×914
*実際造形するときは熱分布の安定できる範囲で造形することが望ましく、最大造形サイズに対して10~50mm程度の余裕が必要となります。
- 造形物を接着し大物造形を行う
最大造形サイズ以上の大物造形をしたい場合、分割して造形を行いその造形物を接着することにより大物サンプルの造形が可能となります。(下記図は大物部品を11分割し造形後接着した事例です)
そのためには、使用用途を考慮した分割設計(例えば、使用時の加重方向や形状など)、接着加工技術(貼付治具の製作等)が必要になることがあります。
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①モデルを分割し造形を行います
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②接着し大物部品を製作します
- 接着による造形物
SLSの場合、最大造形サイズ(Ex,RICOH AMS5500p:550×550×500)で造形するより300mm以下で造形するほうが、造形時間が少なくコストが安くできるだけでなく、寸法が出やすくなる可能性があります。接着する時間(分割が多いと接着する時間が多くなります)と造形時間を考慮しどちらがいいか比較して造形を行うことが大切になります。
以上のように、大物部品を造形するには3Dプリンターの種類、造形時の配置や接着の後加工等のノウハウが必要になります。リコー出力サービスではこれらを考慮し適切な造形方法を提案致します。
(武藤 勝)