ブレークアウェイ方式のサポート材は除去時の苦労を考慮して造形しよう
本記事の内容が当てはまる造形方式
- FDM
- ブレークが必要な材料(サポート材)
図1
材料押出堆積法(FDM)方式では、デスクトップ機や産業機で造形した場合もPCやULTEMなどの一部材料においてサポート材を溶かすことができません。その場合、"ブレークアウェイ"と呼ばれる手法でサポートを除去しなくてはなりません。ブレーク=壊すの意味の通りで、たとえ形状がどんなに複雑な場合でも、ニッパーやペンチなどの工具を駆使して力づくで除去しなければなりません。たとえば中空形状などの場合にサポートの付け方を誤ってしまうと、工具が届かず除去が困難になってしまうことも有ります。無理な除去作業をしてるうちに、破損や思わぬ怪我をしてしまうなんてことも...。そんなことが起きないよう、造形前にモデルとレイアウトをしっかり確認しましょう。
- 薄肉部はなるべく避ける!
図2
ブレークによるサポート材の除去時は少なからず造形物に負荷がかかります。そのため、過度な薄肉形状や強度の低い形状のまま無理に造形してしまうと、ブレーク時に破損や歪みの原因となってしまいます。材料や設備の関係でブレーク除去が必須の場合は、可能な限り肉厚を増やしておいた方が安全です。また、ブレーク時に応力が集中しないよう設計的な工夫を取り入れましょう。ともあれ、ブレークによるサポート除去は常に慎重に行うことが重要となります。
- サポート材は熱いうちに除去!
造形後にサポート材を除去せずに放置してしまうと、全体が冷めてしまいメインの造形材とサポート材の密着が強くなってしまいます。その場合、一度全体を温めなおすことでサポート材が剥がれやすくなります。「鉄は熱いうちに打て」と同じく、「サポート材は熱いうちに除去」を心がけましょう。
(小俣 貴広)