技術者が語る 3Dプリンターのいろは

造形物の面の滑らかさだけで、積層ピッチを決めていませんか?

本記事の内容が当てはまる造形方式

  • FDM
積層ピッチに関連する項目

FDM代表格であるFortusシリーズでは、積層ピッチは4つあります。
積層ピッチの小さい方が、造形したときの面が滑らかなのですが、それ以外にも、材料吐出幅、造形時間、積層強度などが異なりますので、目的に合せた積層ピッチを選ぶ必要があります。
積層ピッチについて

(単位:mm)

積層ピッチ

積層ピッチ・材料吐出幅と造形時間

積層ピッチを縦、材料吐出幅を横にとり図にすると図1の様になります。
積層ピッチ0.127は、積層ピッチ0.254の、縦1/2・横1/2なので、面積では1/4になります。
造形時間を比較すると単純に4倍とはならないのですが、相当時間がかかる事はご理解頂けると思います。
造形時間が長ければ、それだけ機械を占有しますので、コストに跳ね返ってきます。

図1

図1

層と層の接触面と積層強度

図2はスライスデータの層を2段に重ねた図になります。一般的に、層と層を剥がすのに必要な力は層と層の接触面積が大きいと強い力が必要であり、接触面積が小さいと弱い力で剥がせます。
積層ピッチ毎に、層と層の接触面積が異なる(引っ張りの強度が異なる)事を念頭に置く必要があります。

図2

図2

積層ピッチを決める際は、造形時間や積層強度などを含め総合的に判断する必要があります。

(小川 淳彦)

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