光硬化性樹脂の変色には日焼け止めが効く
本記事の内容が当てはまる造形方式
- MJ
- 光硬化性樹脂は変色しやすい
マテリアルジェッティング方式の3Dプリンターの造形材料には、光硬化性樹脂を使用します。この樹脂は紫外線など特定の波長の光によって分子が重合し、液体から固体に変化する性質を利用していますが、デメリットとして、太陽光で変色などの劣化が起きることがあげられます。たとえば陽の射す窓際にサンプルを置いておくと、黄色っぽく日焼けしたようになってしまいます。
- UVカットの方法
UVをカットする方法として、造形サンプルにUVカット塗装する方法があります。プラモデルやインクジェットプリンタの印刷物の変色対策に塗料が市販されています。そこで、どれくらい効果があるか試してみました。
図1
- 日焼け止め効果の確認
図1のように、マテリアルジェッティング方式のVeroClearで造形したサンプルに一部マスキングをして、UVカット塗料をスプレーし、表面を塗装しました。スプレーは、塗る面と噴射口を20~30cm離して、厚塗りにならないよう、やや薄くまんべんなく表裏2回塗装しました。塗料乾燥後にマスキングを剥がして、屋外の日向に10日間放置しました。ご参考までに放置期間中の天候は、ほぼ晴れ、気温は30℃前後です。図2は、放置前、2日、6日、10日と放置期間ごとにサンプルを並べています。UVカット塗装をしていない面は徐々に変色が進みますが、UVカット塗装面は、ほぼ初期の色味が変化していません。簡単な方法ですが、日焼け止めの効果があることが分かります。
図2