丸ボスや丸穴の造形には継ぎ目に注意!
本記事の内容が当てはまる造形方式
- FDM
- 積層方向による造形精度の違い
FDM方式の造形は、まずデータ上で積層ピッチごとにスライスした面において、ツールパスと呼ばれる積層パターンを描くことから始まります。出来上がったツールパスに沿って材料が吐き出されることによって造形物が出来上がっていきます。
このようなFDM方式で丸ボスや丸穴を造形する場合、このツールパスが丸形状の輪郭を一筆書きできるように配置した方が、造形精度が良くなるというメリットがあります。
(精度を出したい輪郭は真上に向けて一筆書き!)
- ツールパスの継ぎ目の影響に注意!
一筆書きのツールパスが作成できても、より厳しい精度が要求される場合には、ツールパスの継ぎ目に注意する必要があります。
このような場合、ツールパスの開始点はその近傍位置でツールパスが終了するため、この位置はツールパスの継ぎ目となります。
図1
ツールパスの開始点では、習字の筆のように樹脂が余分に吐き出されるため、ツールパスの継ぎ目の位置は造形精度が悪くなることがあります。
このような継ぎ目の影響により、丸ボスの場合には狙い寸法よりも大きく造形され、丸穴の場合には狙い寸法よりも小さく造形されます。
図2
- 厳しい精度を求めるなら、後加工を施すべし!
嵌め合い部品のように、厳しい精度が要求される場合、FDM造形後に穴部分のドリル加工など後加工を施すことをお勧めします。