技術者が語る 3Dプリンターのいろは

ジェル状サポートは水の圧力で吹き飛ばす!

本記事の内容が当てはまる造形方式

  • MJ
様々なサポート材があるマテリアルジェッティング

造形方式の1つでもあるマテリアルジェッティングでは、サポート材の特徴が装置によって異なります。代表的な方式としては、水圧を使って除去するウォータージェット方式、熱をかけて溶かす熱溶解方式、専用の液に漬け込んで落とす水溶解方式などが挙げられます。今回は最初に挙げたウォータージェット方式について解説したいと思います。

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(製品例)サポート材をウォータージェットで除去する機種

"Stratasys社 Objet500 Connex3"

ウォータージェット方式とは

ウォータージェットはその名の通りで、水を高圧で噴射した勢いでサポートを除去する方法です。造形する際にモデルに付着したジェル状のサポート材を水の圧力で吹き飛ばしていきます。サポート材がジェル状(寒天に近いような感触)のため、水に漬けて手で除去するだけでは表面にヌメりが残ってしまうことがあります。サポート材の除去がしっかりできていないと、穴が小さくなったり、ボスが太くなったり、嵌め合うはずの部品が嵌め合わないなんてことも...。そのためにも、水圧でサポート材をきっちり除去することが必要となります。

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図1:ウォータージェット方式によるサポート材除去装置

1.造形が完成した状態 周りはジェル状のサポート材で覆われている
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2.ジェル状のサポート材を水圧で吹き飛ばしていく(周辺に落ちているのがサポート材)
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3.サポート除去が完了し、形状がわかるようになった この後、水分を拭き取り乾燥させる
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4.サポート除去作業完了
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図2:サポート除去作業の流れ

精細なモデルを造形しても、その後の作業で...

マテリアルジェッティングは高精細なモデルを造形できることが特長ですが、どの形状においてもサポート材が付くことは避けられません。そのサポート材を除去するにあたって、このウォータジェット方式ではモデル自体を破損させてしまうことも有り、作業には細心の注意が必要となります。高精細なモデルを造形できる反面、造形後の取り扱いにも注意が必要となるため、可能な限り"骨太"なモデリングを心がけましょう。

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