技術者が語る 3Dプリンターのいろは

粉末積層造形(SLS/HSS)で造形した造形物の表面性と造形のコツ

本記事の内容が当てはまる造形方式

  • SLS

リコー3Dプリンター出力サービスでは、高速かつ高精細な造形ができる3Dプリンターを多数ご用意しています。ただし、造形時の造形姿勢によっては、表面性に注意して造形することが必要なケースもあります。そこで今回は造形姿勢による表面性の違いと表面性を滑らかにするための造形時のテクニックについて紹介していきます。

3Dプリンターの特性を理解して配置

下図の造形物は上面と下面に丸みがある部分がありますが、粉末積層造形(SLS/HSS)の3Dプリンターではこのような積層方向で造形を行うと、造形時上面のほうが、造形時下面よりも積層段差が目立ち表面がザラザラしています。(写真だと分かりにくいのですが、指でなぞると積層段差がある部分に引っ掛かりが感じられます)このような造形物の場合は他の造形方式で造形することをおすすめすることもありますが、造形姿勢によっては積層段差を和らげることができる場合もあります。

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表面性に注意した3Dプリンターの造形時のコツ

例えば下図のような容器と蓋を造形する場合、前述の通り粉末積層造形(SLS/HSS)の3Dプリンターの特性上、造形物の上面のほうが、下面よりも積層段差が目立ちやすい傾向があります。そのため上面外観面の品質(表面性)を優先すると①のような姿勢で造形することを推奨します。ただしこの場合、容器と蓋の接触面(赤ハイライト箇所)が荒れてしまうことになり、組付時に容器と蓋の間に隙間ができてしまう可能性が発生します。一方外観よりも密閉性を優先する場合は②のような姿勢で造形し、接触面を滑らかにすることを推奨します。 『リコー3Dプリンター出力サービス』では専任技術者が用途を伺い、最適な方法で造形行っております。また造形物によっては造形装置や造形材料のご提案や後加工の対応までさせていただきますので、ぜひご相談ください。

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