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円月島(和歌山県白浜町)

円月島(和歌山県白浜町) <br />
 (撮影)Headline編集長 中野 哲也 PENTAX K-S2使用
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  (【尾灯】写真) RICOH Quarterly HeadLine Vol.19 2018 春
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 気の遠くなるような長い時間をかけ、大自然が創り上げた造作物は人間の心をとらえて離さない。限りなくゼロに近い確率、つまり奇跡的に諸条件が重なり合い、この世に出現したのだろう。和歌山県白浜町の円月島(えんげつとう)もそんな奇跡の一つである。南北130メートル、東西35メートル、高さ25メートルの島。その真ん中の部分が見事に繰り抜かれている。波が押し寄せてぶつかるうち、岩の弱い部分だけ侵食が激しくなり、「設計図」がないのに見事な円月形の穴が開いた。一方、人間には無意識のうちに高い確率を求め、無難な選択をする習性がある。だが、それでは大自然の創造力に到底かなわない。時には確率を考えない勇気も持たないと、世の中は益々つまらなくなる気がする。(N)
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円月島(和歌山県白浜町)
 (撮影)Headline編集長 中野 哲也 PENTAX K-S2使用
  (【尾灯】写真) RICOH Quarterly HeadLine Vol.19 2018 春

 気の遠くなるような長い時間をかけ、大自然が創り上げた造作物は人間の心をとらえて離さない。限りなくゼロに近い確率、つまり奇跡的に諸条件が重なり合い、この世に出現したのだろう。和歌山県白浜町の円月島(えんげつとう)もそんな奇跡の一つである。南北130メートル、東西35メートル、高さ25メートルの島。その真ん中の部分が見事に繰り抜かれている。波が押し寄せてぶつかるうち、岩の弱い部分だけ侵食が激しくなり、「設計図」がないのに見事な円月形の穴が開いた。一方、人間には無意識のうちに高い確率を求め、無難な選択をする習性がある。だが、それでは大自然の創造力に到底かなわない。時には確率を考えない勇気も持たないと、世の中は益々つまらなくなる気がする。(N)