ウサギの目
(【尾灯】写真) RICOH Quarterly HeadLine Vol.31 2021 Spring
しや【視野】一目で見られる範囲。また、視力が届く範囲。「―をさえぎる」。比ゆ的に、観察・思慮などが及ぶ範囲。「―の広い人物」(岩波国語辞典)
人間の場合、目が平たい顔の上に2つ並ぶため、視野は左右120度ぐらい。残り240度が死角になる半面、対象を立体的に見ることができ、距離の計測も得意だ。人間と同じ位置に目がある、ライオンやネコなどの肉食動物の視野も概ね120度。獲物を取るのに適しているのだ。これに対し、草食動物のウサギは顔の両側に目があり、視野360度を誇る。だから接近する敵をいち早く察知し、逃走できるのだ。人間の視野もウサギ並みなら、危機管理能力が向上する。だが現実には視野が狭いから、痛い目を見ないと大半の人間・組織は動かない。本号にショートムービーを提供してくれた、ベクノス(本社横浜市)のペン型360度カメラ「IQUI(イクイ)」は、そんな狭い視野を広げる魔法のデバイス。えっ、ウサギはこんな景色を見ているの?(N)