巨大迷宮
(撮影)Headline編集長 中野 哲也 PENTAX K-S2使用(A-HDR撮影)
(【尾灯】写真) RICOH Quarterly HeadLine Vol.11 2016春
渋谷駅は東京を代表するターミナルの一つであり、一日の乗降客数が300万人を超える。1885年の開業以来、JR、東急、京王、東京メトロの各路線が段階的に乗り入れてきた。その結果、建て増しに次ぐ建て増しとなり、駅舎はツギハギだらけの巨大なラビリンス(迷宮)。地下鉄なのに銀座線が最も高い地上3階から発着し、東横線に乗り換えるには地下5階まで降りなくてはならない。対症療法のツギハギでしのいできた渋谷駅は、日本社会の縮図にも見える。今、この駅では「100年に一度」あるいは「日本で最も難しい解体」と呼ばれる改修工事が続けられ、完成は11年後になるという。通学や通勤、飲み会で40年間も世話になり、大改修の行方が気にかかる。聖火台を忘れていた新国立競技場を反面教師にして、22世紀にも誇れる駅舎を造ってほしい。(N)