2026年01月

正解がない仕事にいかに取り組み、達成していくのか。

お客様と新しい未来の扉を開く、ビジネスデザイナーの姿勢とは

#コラム

#インタビュー

リコーのデジタルサービスと顧客のアイデアが融合し、新たな価値を生む知的創造空間、RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO(以下、RICOH BIL TOKYO)では、既存ソリューションだけでは解決できない経営課題に対して、様々な可能性を模索・提案し、実際の具現化までを伴走支援しています。

そうした共創プロジェクトにおいて、RICOH BIL TOKYOに来場されたお客様を最初にアテンド(お客様のご案内・対話)をするのがビジネスデザイナーの役目です。RICOH BIL TOKYOのビジネスデザイナー職は、お客様が来場される前に綿密なリサーチ・仮説検証を行い、来場時の約2時間という限られた時間の中で、様々な未来の可能性をお客様と対話していきます。

そこで今回は、ビジネスデザイナーと、そのキャリアの入口であるアシスタントディレクターとして活躍するメンバー、そしてRICOH BIL TOKYOを創設した菊地英敏を交え、座談会を実施。ビジネスデザイナーのやりがいや難しさについて語りました。

経営層のお客様を2時間アテンド。事前準備から当日までを裁量持って取り組めることがビジネスデザイナーとしてのやりがい

菊地:今回は、ビジネスデザイナー・アシスタントディレクターとして活躍されている皆さんに集まっていただき、座談会という形式で様々なトピックについてお話いただきたいと考えています。まずは、それぞれこれまでのキャリア含めて、自己紹介をお願いいたします。

BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO General Manager 菊地 英敏
1999年リコー入社。新規事業立ち上げ部門に10年以上所属し、事業戦略、企画、マーケティング、広報プロモーション、営業に幅広く携わる。エンタープライズ顧客向けオフィスソリューション事業部門にて事業戦略リーダーを務めたのち、2018年にイノベーション拠点「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO」を自ら企画し設立。

橋間:私は2020年4月にリコーに入社しまして、最初の約3年半はサーマルメディア事業部にて感熱製品などのBtoB営業を担当していました。その後、2023年11月より社内公募にて、RICOH BIL TOKYOに異動いたしました。

野見:私は2019年に、リコーグループである株式会社PFUに入社しまして、帳簿製品のソフトウェア開発などを担当してきました。その後、RICOH BIL TOKYOの留学制度を使い、現在は出向という形でRICOH BIL TOKYOに在籍しております。
また、リコーのアクセラレータープログラムであるTRIBUSにも参画しており、新規事業創出に向けた活動にも取り組んでおります。

家元:私も2021年にPFUに入社しまして、はじめはネットワークセキュリティ製品の開発に従事してきました。ただ、技術職ということでお客様の声が直接聞けないことにもどかしさを感じていた中、RICOH BIL TOKYOの取り組みに魅力を感じ、2025年6月よりRICOH BIL TOKYOに出向という形で在籍しております。

金子:私は2019年にリコーに入社し、はじめは複合機の操作部アプリケーションの開発を担当していました。そして別のIoTソリューションの開発に携わる中で、お客様と相対する機会が増えていき、その後は大手1to1顧客攻略の活動を担当するようになります。2025年1月より、RICOH BIL TOKYOに参画いたしました。

唐木:私は2020年にリコーに入社したのですが、初年度からリコージャパンに出向し、約5年間、首都圏大学市場での営業を担当してきました。その後、2025年4月より、RICOH BIL TOKYOに異動となり、現在に至ります。

菊地:ビジネスデザイナーは、まずお客様がRICOH BIL TOKYOに来場される前から、お客様の事業リサーチを行ったり、共創シナリオの仮説立てを行ったりといった準備を行っていきます。
そして実際にお客様が来場された際の当日のアテンドまでを担当するわけですが、あらためてどういった準備を行っているのか、またビジネスデザイナーというポジションのやりがいはどういった点に感じているのか教えてください。

野見:RICOH BIL TOKYOに来場されるお客様は経営層の方々が中心となるため、そうしたお客様と2時間という比較的長い時間アテンドするためには、事前準備が欠かせません。そこで来場日の約1ヶ月前から、お客様企業のホームページや統合報告書などからリサーチを行い、また、AIソリューションを使って効率よく情報収集を行っていきます。

その後、当日一緒にアテンドする営業担当の方と事前打ち合わせを実施。営業だからこそ把握しているお客様課題などをヒアリングしていきます。また、具体的な課題をイメージするために参考にしているのが、お客様企業の採用ページです。採用ページでは職種ごとの具体的な業務内容が掲載されていたりするため、そうした情報からどのような業務課題が現場ではあるのかといったことを仮説検証しています。

そうして万全の準備を行った上で当日を迎えるわけですが、経営層の方をアテンドするということで、当然プレッシャーもかかります。しかし、無事にアテンドを終えて、お客様から「来てよかった」「リコーの新しい一面を知ることができた」といったポジティブな反応をいただけたときは、非常に嬉しく、やりがいを感じる瞬間です。

また、事前準備から当日のアテンドまでを自分が責任者として推進していけるため、そうした裁量を持って取り組めることもやりがいに感じています。

RICOH BIL TOKYO 野見 ひかる
2019年、株式会社PFU入社。タブレット帳簿ソフトウェア『BIP Smart』の開発に従事。その後、医療機関向けの顔認証付きカードリーダー『Caora』の企画に携わった後、RICOH BIL TOKYOへ出向。現在、リコー アクセラレータープログラム(TRIBUS)にも参画中。

最新の情報が日々更新される昨今。新しい情報を常に吸収し、様々なトピックに対して自分の言葉で語れることが重要

菊地:いま野見さんからお話があった通り、ビジネスデザイナーというポジションならではのプレッシャーや大変さがあると思います。
特に経営層のお客様と相対するためには、質の高い知識とアイデアが求められるわけですが、その点についてはどのように感じていますか?

唐木:ビジネスデザイナーは、リコーグループの商材やデモを何十個もインプットしないといけません。さらに、デイリーで様々な情報や状況がアップデートされていくため、とにかくキャッチアップしていくことが非常に大変ではあるものの、そうした新しい情報を吸収していくことに面白さを感じています。

特に昨今はAIの台頭により、情報収集がより容易になりました。そのため、お客様側でも膨大な情報をすでに取得されていて、情報の流れというのが高速道路のような状態。次から次へと情報が流れている中、はじめは高速道路の本線に入るのすら大変なわけです。
しかし、一度本線に入ってしまえば、そこにはいろいろな情報が流れていて、そうした情報をインプットしてお客様に魅力的な提案ができたときは、非常に大きなやりがいに繋がっています。

RICOH BIL TOKYO 唐木 俊太朗
2020年、リコージャパン 公共事業部文教営業部に配属。首都圏大学市場における営業担当として、5年間従事。その後、2025年4月よりRICOH BIL TOKYOに異動。

菊地:経営層の方々は、いわば情報を調達するためにRICOH BIL TOKYOに来場されています。つまり私たちはお客様がかけてくださったコストに見合う情報を提供するべきでしょう。
そうしたコミュニケーションは場数を踏まないと慣れない部分ではあるかと思いますが、意識していることはありますか?

橋間:現場で働かれている方であれば、現場ならではの課題にフォーカスすることが求められますが、来場される経営層の方々は様々な課題感をお持ちです。そのため、幅広いトピックで会話することを意識しています。
私は以前営業担当だったのでお客様への提案や対応の経験を積んで来ました。RICOH BIL TOKYOでは2時間という対話の時間の中で、盛り上がったトピックをより盛り上げていくためにはどうするべきか、組んだアジェンダにただ従うのではなく、アドリブを入れながら会話をリードするよう意識しています。
人それぞれパーソナリティも異なりますから、その方にあった対話力というのは、営業時代よりも身についていると感じています。

家元:当たり前のように聞こえるかもしれませんが、私はお客様が興味あるお話をするということを大切にしています。2時間という時間があると、どうしても自分が流暢に話せるトピックを中心に話してしまいがちです。しかし、お客様が興味をお持ちでないトピックをひたすら話していてはよくありません。

だからこそ、日々様々な情報をインプットするということが非常に重要で、新しいツールや商材が出たらまず使ってみるというのを日々大切にしています。実際に自分が使っていれば、お話の中でも具体的に話せますし、自分の言葉で様々なトピックを話せるようにするということが大事だと感じています。

RICOH BIL TOKYO 家元 習太
2021年、株式会社PFU入社。約4年間、ネットワークセキュリティ製品の開発・保守に従事。2025年よりPFU次世代事業開発室に異動。また、同年6月よりRICOH BIL TOKYOにも在籍中。

「どうありたいか」という未来志向でのゴールを描くこと。経営層と相対する機会ができたことで必然的に視座が高まった

菊地:営業出身、技術者出身といった様々なバックグラウンドをお持ちの皆さんですが、RICOH BIL TOKYOに異動して、皆さん自身の変化や成長はどういった点に感じていますか?

野見:対話力、プレゼンテーションスキルというのはRICOH BIL TOKYOに参画して力がついたと実感しています。そもそも、以前の開発職ではお客様と相対する機会というのは多くはありませんでしたが、RICOH BIL TOKYOでは必須です。
理系出身の場合はどうしてもコミュニケーションがロジカルになりがちですが、会話のテンポや声の大小、表情などの要素がコミュニケーションにおいて大切であるということをRICOH BIL TOKYOに来て学びました。

唐木:営業職の頃は、役員や経営層の方々のことを雲の上の存在のように感じていたのですが、RICOH BIL TOKYOでは経営層の方々と相対することが必ず求められます。
そうした方々とのコミュニケーションを通じて、私自身の視座も強制的に高まりましたし、場数を踏んでいくことで、プライドを持って経営層の方々と対等にコミュニケーションできるようになりました。それは私自身の大きな成長だと感じています。

金子:現場視点だと、どうしても現実的にできるか、できないかといったことを考えてしまいがちです。しかし、共創活動として経営層の方々と一緒に未来を描いていくRICOH BIL TOKYOだからこそ、実現性よりもまずは「どうありたいか」というゴールをお客様と共有することが大切です。

そうしたありたい姿をぶつけると、「それがやりたい」「それは違う」などといった対話が広がっていきます。以前までは、そうした未来のゴールを描けていませんでしたが、いまは対話の材料としてそうした未来志向でのゴールを描けるようになったことは、私自身の大きな変化だと感じています。

RICOH BIL TOKYO 金子 波未
2019年、リコー入社。複合機の操作部アプリケーションの開発、クラウド型IoTソリューションの開発等に従事。その後、大手1to1顧客攻略・RSIビジネス拡充活動を担当。2025年1月より、RICOH BIL TOKYOに在籍。

多様なバックグラウンドを持った人たちが集まり、キャリアの幅を広げられる環境。“はたらく”に歓びを提供するために

菊地:最後に、あらためてRICOH BIL TOKYOが皆さんにとってどういった環境であるのか、また今後の展望を教えてください。

橋間:RICOH BIL TOKYOがユニークだと思うことのひとつに、多様なバックグラウンドを持った人たちが集まっているということがあります。営業出身の方もいれば、マーケティング出身、技術者出身の方もいて、そうした多様なバックグラウンドを持った人たちとコミュニケーションできる環境があるからこそ、自身に足りない部分を学べる環境があります。

当然ながら営業のスキルだけであったり、開発のスキルだけなど、単一のスキルだけを身につけているだけでは事業を前に進めていくことはできません。バランスよく様々なスキルを身につけることが重要で、そうしたスキルを身につけられるのがRICOH BIL TOKYOという環境。
私自身、そうした様々なスキルをより身につけていき、今後は事業開発にも携わっていきたいと考えています。

RICOH BIL TOKYO 橋間 遼
2020年、リコー入社。約3年半、サーマルメディア事業部にてBtoB営業を担当。また、新規顧客立ち上げ等にも携わる。2023年11月、社内公募にてRICOH BIL TOKYOに異動。

野見:経営層の方々と2時間対話ができるというのは、本当に貴重な環境です。RICOH BIL TOKYOに異動してからのこの2年間は、同世代の誰よりも濃い2年間を過ごしているという自負があります。自身をより成長させたいという強い向上心がある方には、RICOH BIL TOKYOを強くおすすめしたいと思っています。

そしてRICOH BIL TOKYOでの活動を通じて、リコーの商材や技術を幅広く理解することができ、また経営層が抱える属人化や人手不足といった課題感についても理解することができました。今後はそうした課題感に対して、ゼロイチで事業をつくるということに挑戦したいと考えています。

家元:共創活動は様々なポジション、様々な職種の方々と一緒になって進めていきます。開発職だった頃は、開発職以外のキャリアの展望が見えていませんでしたが、RICOH BIL TOKYOでの共創活動を通じて、幅広い職種の方と知り合い、様々なキャリアの選択肢が広がっていきました

まだRICOH BIL TOKYOに異動して間もないため、まずは目の前のお客様にしっかりと価値を提供できるよう進めていきつつ、将来的にはこの共創活動を通じて、自身の進むべきキャリアの道を見つけていきたいと考えています。

金子:他の方からもありましたが、RICOH BIL TOKYOには多様なバックグラウンドを持った人たちがいるからこそ、何かボールを投げかけても、返ってくるリアクションが本当に様々で、自身の視野が大きく広がりました。
また、RICOH BIL TOKYOには協力的な方々ばかりで、私が何かに挑戦したいというときにも、協力してくれたり、後押ししてくれたりと、ポジティブな反応をもらえるような環境です。

共創活動を具体化させていくということは簡単なことではありません。現状、私はまだ来場いただいたお客様に対して、「いいですね」といったポジティブな反応をいただけても、その後何かをリリースするというところまではまだ携われていないため、今後はアイデアを実現化させる、形にするということを達成したいと考えています。

唐木:共創活動というのは一筋縄にはいきません。コンサル力、ITの理解、プレゼンテーションなど、様々なスキルが求められます。しかし、それは一度に様々なスキルを身につけられるチャンスでもあると思います。
私自身、RICOH BIL TOKYOでの経験を通じて、どこでも活躍できる人材になれると感じていますし、キャリアの幅を広げていきたいと思っています。

菊地:最近あらためて感じているのは、経営層が抱える経営課題を解こうというときに、戦略オプションをいかに広げていけるかどうか、いかに回数多く経験を重ねていくかが、共創活動を加速させていく大事なことだと思っています。

150年前、究極に機械化が進んだとき、人は何をするのかという問いに対して、ある社会運動家は「仕事がなくなったとき、人間がやることは飾ることだ」と語っていたそうです。つまり、それは人生のスパイスのこと。

私たちリコーは、「“はたらく”に歓びを」ということを掲げているわけですが、私たちが提供するクリエイティブワークだとか、創造力をかき立てることというのは、生きる上でのスパイスを提供することと言えるかもしれません。
そう考えたときに、ぜひみなさんにも、何かしらの飾れるような時間、つまり生きる上でのスパイスになる時間を生み出していってほしいと思っています。
本日はみなさん、ありがとうございました。

お客様との共創事例/ コラム