液槽式の光造形は、面ではなく点でサポートする
本記事の内容が当てはまる造形方式
- SLA
- 造形は気中ではなく液槽の中
各造形方式のサポート除去を中心にシリーズでご紹介しておりますが、
今回は光造形(SLA=Stereolithography Apparatus)のサポート除去編となります。
光造形は3Dデータを積層ピッチのスライスデータに変換し、 レーザーで一層ずつ光硬化樹脂を硬化させていく積層造形です。 液槽(バット)式の光造形は、光硬化樹脂の入った液槽の中でZ方向に積層造形していく方式です。液槽の中という環境下のため浮力によるサポートが可能で、他のFDM方式やマテリアルジェッティング方式のようにサポート材を広い面で付けるのでは無く、局所的に点で支えるようなイメージとなります。
図1 造形物にサポートが付いた状態
- サポート材は造形物と同じ材料
光造形は決められた種類の樹脂が入った液槽の中で硬化させていく方式のため、モデル材とサポート材を別の材料に設定することができません。そのため、必然的にサポート材もモデル材と同じ材質での造形となります。
図2 造形からサポート除去まで
- 仕上げの基本は手作業!
サポートを取った後は洗浄して手作業で除去痕を磨いて仕上げていきます。紙やすりやスポンジ研磨材などの工具を駆使して、除去痕部分を1つ1つキレイに仕上げていきます。FDM方式のBreakサポートほどではないですが、Solubleサポートのような手法が使えないため、光造形の場合はこの除去作業だけでもかなりの労力となります。
(小俣 貴広)