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地球環境を考える第一歩は

2024年07月30日

尾灯

編集長
舟橋 良治

 当たり前ではあるものの、あまり意識しないまま生活している事柄は多い。例えば、健康に過ごしている時の体の状態。ほぼ全ての組織は絶え間ない新陳代謝によって置き換えられており、胃壁の細胞は3~5日、代謝が遅い骨格でもだいたい10年で新しくなっている。物質的に考えれば私たちは日々、いわば生まれ変わっている。

 人の細胞は約30兆個。この人体には微生物の細菌が共存しており、消化を助けるなどさまざまな働きをしている。その数は100兆個とも言われ、自分の細胞よりもはるかに多い。さらに380兆個のウイルスが体内に住みつき、多様な役割を担っている。このほかにアメーバなど原生生物もいる。

 われわれの体は地球の一部。その地球はどう考えても汚染が進んでいる。食事や呼吸などを通じて地球の一部を日々取り込み、10年で体をほぼ一新。体は共存する無数の生物によって維持されている。地球温暖化の抑制、生物多様性の維持などが注目を集めているが、皆が「自分事」として対策に取り組んでいるかどうか。体を作っている「大元」を見つめ直すことが、多様な生物を育む地球環境ついて真剣に考える第一歩となる。

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舟橋 良治

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この記事は、2024年6月25日発行のHeadLineに掲載されました。

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