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秘書は女優よ!

=在宅勤務でもボスをサポートするには?=

2020年12月18日

新型ウイルス

企画室
大林 裕子

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年4月7日に東京都などに緊急事態宣言が発令された。そして、筆者の在宅勤務がスタートした。東京五輪・パラリンピックに備えた練習で数日試行していたが、長期にわたる在宅勤務は経験したことがない。不安しかなかった。

 秘書が筆者の仕事だ。翌日スケジュールや案内状など、ボスに手渡していたものはどうしたらよいのか。毎日対面で行っていた打ち合わせは?そもそも在宅勤務で秘書業務は成り立つのだろうか。不安しかなかった。

写真秘書業務をリモートで始めたが...
(写真)岩下裕子

 通常であれば、ボスの出勤時の様子で体調が分かるが、それも分からない。連絡や報告事項も、細かいニュアンスが必要な説明のときはなかなか難しい。会議には時間通り参加しただろうか?予定通り終了しただろうか?気になることは数え切れない。

 今までと変わらずに情報が届き、確認や連絡ができていれば、ボスは安心できるだろう。でも、そのためにはどうしたらよいのか。

 口頭で行っていた連絡や確認を、メールやチャットに代えてみた。朝は急ぐ案件が中心になる。夕方は翌日の予定をボスに連絡する。週半ばで翌週の予定を確認し、必要な準備・手配を行う。金曜日の夕方には翌週のスケジュールなどをボスに伝える。さまざまな日程調整や連絡事項などは、おおよその時間を決めてボスに連絡をする流れをつくった。手段は代わったが、日々の連絡はできる。本当に緊急な時は、電話もありだ。

 そんな中、在宅になって一つよかったことがある。会議室を確保する必要性が消えたのだ。以前は、会議室が取れず日程を再調整することがあったが、リモートワークでは関係者との時間調整さえできれば、打ち合わせを設定できる。ただしそうなると、どんどん打ち合わせが設定されてしまうため、会議と会議の間の時間確保などの工夫は欠かせない。

 在宅勤務でもボスとの連絡や連携ができるのは、彼の性格や好みを知っているからだろう。知っているからこそ、連絡事項の適切な伝え方やタイミングを考えられるし、ボスが安心できる準備・手配も可能になる。

 実は、秘書の仕事に就いたばかりの頃、ボスからの細かすぎる指示に不満を持ったことがあり、ストレスが蓄積した。色々考えた末に、「いちいちイライラしていても仕方がない。会社で仕事している間は秘書を演じることにしよう。私は女優になる!」と心の中で決心し、言われた事をとにかく実行する秘書になってみた。

 するとボスからの細かい指示も、ボスの好みを知るヒントになった。そして、きちんと対応すれば良い結果が出ることが分かり、秘書業務に打ち込めるようになった。良いことも悪いことも、結局は自分に返ってくる。ならば、良いことをして評価されたい。

 相手を思い仕事をする。次の工程を考えて仕事をする。ひたすらそれを続けてきた。ただし、自分が良いと思った行動でも、相手の負担になることがあるので要注意。気配りや目配りは大切だが、お節介にならないようにしたい。

 今まで自分なりに取り組んできた秘書という仕事。それを仲間や後輩へ引き継いでいくことは大切だが、在宅勤務ではその難しさを感じてしまう。出社していれば、起きた事案についてその場で即座に指導が可能だからだ。マニュアルには限界があり、ちょっとしたコツやポイントをどこまで細かく記すかが難しい。だから、仕事の質の低下が心配になる。

 12月31日付で退職する。各自が仕事をしていく中で、失敗や困難を乗り越えながら、秘書魂を受け継いでほしい。ロボットにはない人間の心を大事にした仕事を続け、魅力ある会社であり続けてほしい。

 長い間お世話なりました。心から皆さまに感謝申し上げます。皆さまのご健勝と、益々のご活躍をお祈りしています。

写真受け継いでほしい秘書魂
(写真)岩下裕子

大林 裕子

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