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世界経済のトレンドは変わったのか

第24回 冬夏青々

2022年04月04日

内外政治経済

常任参与
稲葉 延雄

 3年目に入った新型コロナウイルスとの戦いは終盤を迎えており、世界経済は「見えない敵」と共存する途(みち)を模索し始めた。では世界経済のこれまでのトレンドは、コロナ禍を経ても維持されていくのか、それともコロナ禍で変わってしまったのだろうか。以下、3つの視点を提示したい。

Ⅰ.中国経済のピークアウト

 中国経済がこれからも高い成長で世界経済を牽引していく―。こうしたシナリオに対し、疑問が呈されている。コロナ禍による世界経済全体の落ち込みに加え、厳しいゼロコロナ政策や不動産バブルの崩壊などに伴い、中国自身の経済活動が停滞。2021年10~12月期の実質GDP(国内総生産)前年比伸び率は4%まで低下している。

 リコー経済社会研究所の調べによると、2030年に至る前にも中国がGDPで米国を追い越すとみられていたが、その時期は次第に後ズレしている。しかもいったん追い抜くとしても、その後は再び米国に追い抜かれるとの見方が強まっているという。

Ⅱ.生産性パラドックスの継続

 日本を含めて主要国の生産性は久しく鈍化傾向にある。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の渦中でも、「デジタル化の急速な進展から生産性が上昇に転じるのではないか」との期待は見事に裏切られつつある。

 テクノロジーの進展と、それに伴うすさまじい時代の変化にもかかわらず、生産性が伸び悩む―。この「生産性パラドックス」と呼ばれる現象は、残念ながら継続している。コロナ禍での在宅勤務やオンライン会議の広範な活用も、この傾向を変えることはできていない。

Ⅲ.リアルはどっこい生きている

 AI(人工知能)化やオートメーションの進展によって、多くの人々の雇用機会が失われるだろう―。という予測も修正を迫られている。コロナ禍ではいわゆるエッセンシャルワーカーはもとより、宅配サービスの配送スタッフなど労働力の不足が日本を含め顕在化。米国などでは賃金の上昇が始まった。

 その米国では、コロナ禍で封じ込められていた需要、いわゆるペントアップ需要が一挙に解放され、耐久財購入や住宅着工の活発化を通じて財の需給が引き締まる。物流の混雑現象も加わり、資源価格の上昇やインフレの加速を助長している。

 仮想空間(Metaverse)や分身(Avatar)に関する先進的なデジタル技術がいくら進歩しても、その背後では、人間が生きていくために欠かせない「リアルの世界での技術やノウハウ、それを体現した労働力」が存在感を持つ。今、それが改めて示されている。

図表

稲葉 延雄

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※この記事は、2022年3月29日発行のHeadLineに掲載されました。

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