2015年07月01日
最先端技術
研究員
倉浪 弘樹
東京・新宿から電車で50分。神奈川県の中央にある海老名市では、駅前の開発事業が急ピッチで進んでいる。かつての田園風景は姿を消し、ららぽーと海老名(仮称)や高層マンションを中心とする新たな街に生まれ変わる。この一角にリコーは「未来の家」を創り、2015年夏にRICOH Future Houseとしてプレオープンする。
海老名市に研究開発拠点をもつリコーグループは海老名駅西口土地区画整理組合の「まちづくり協議会」に参加し、駅前開発に携わってきた。その活動の一環として、「地域・まちと共に、未来に向けてビジネス協創する場」をコンセプトにしたRICOH Future House(4階建て)を開業する。1、2階が約720㎡、3、4階も約500㎡あり、いずれもバスケットボールのコート(420㎡)よりも広い。
1階:アウトプットカフェ
海老名市や周辺地域の住民の方、来街者の方が気軽に立ち寄り、くつろげるフロア。喫茶・食事スペースである「カフェレストラン」のほか、リコー製品を利用してコピーやポスター制作などができる「クリエイティブショップ」が併設される。
2階:フューチャースタジオ
地域住民や来街者が情報発信できるように、多目的レンタルスペースやラウンジを備えたフロア。セミナーやイベントを随時開催する。例えば、「子育て・教育」「食と農」「ビジネス・キャリア」などのテーマで企画され、地域住民の学びと交流の場として活用される。
3階:フューチャーラボ
「みらいのツクリテ」を育てる会員制のフロア。小中学生を対象にした科学と自由に触れ合える「ラーニングラウンジ」や、体験学習プログラムを開催する教室「サイエンスラボ」がある。
4階:フューチャーセンター
ビジネスマン向けのフロア。会員制のビジネスラウンジのほか、レンタルオフィスも。リコー製品を中心に最新のOA機器が利用できる。
このうち、3階のフューチャーラボはプレオープン前から地元で話題になっている。紹介記事がタウン誌に掲載されただけで、1カ月間に30件を超える問い合わせが寄せられた。「予想以上に住民の方々の関心が高く、手ごたえを感じている」(リコー UDセンター 副所長・中村英史)。
フューチャーラボで提供される体験学習プログラムは、社外パートナーとも連携する。日常生活の科学をテーマにして、日本科学未来館とは体験・実験を中心としたプログラムを共同開発。このほか、周辺の学校・教育機関との連携を進めている。
こうした産官学連携の学習プログラムを通じ、科学と子どもの距離をぐっと近づける。理科離れが叫ばれている中、RICOH Future House がその流れを変える"触媒"になるかもしれない。
RICOH Future Houseの詳細については
リコーHP:https://jp.ricoh.com/ricohfuturehouse/
倉浪 弘樹