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目先が大事なのか、それとも将来展望か

冬夏青々 第7回

2018年02月05日

内外政治経済

常任参与
稲葉 延雄

 米欧の多くの国では、雇用機会の喪失や経済的格差の拡大にいら立つ人々が、短期的な状況改善を求めている。こうしたポピュリズム的志向が強まり、政治は軒並み不安定になっている。政治の側でも人々の要求に応えるべく目先の対応に追われ、長い目で見て重要な施策への目配りが不足がちである。

 日本では政局の安定が続いているので、こうした動きとは無縁と思われそうだが、実はそうでもない。現に先の総選挙では、与野党の選挙公約はいずれも有権者の気をそそる短期的な利益誘導に終始していた。その違いが明確ではなく、有権者が政権選択の意思を示そうにも示せなかったのが実情だった。有権者は目先の対応にしか関心がないという強い思い込みが、政治の側にあったのだと思う。この点こそが、政治がポピュリズムの影響下にあることの証左である。

 しかし、政治は勘違いをしているようだ。実のところ、多くの人は目先の対応にしか関心がないわけでは決してない。実際、日本経済は良好で雇用不安が解消されたこともあり、むしろ心配なのは将来展望のほうだという声をよく耳にする。また、足元の家計消費が慎重なのは将来不安が強いからだとも言われる。この程度の豊かさでも持続可能なのか。あるいは、孫・子の代までより豊かな社会であり続けるために、必要な手は打たれているのかといったことである。

 確かに、これから生まれてくる子どもたちは未来の日本社会を支えるのに、その育児環境は若い夫婦にとってひどく厳しい。一方、高齢者は安らかな老後を望んでいるが、現実には老老介護で苦労している世帯が少なくない。年金や社会保障サービスの充実のための原資が心配なのに、持続可能な財政制度を語る政治家が見当たらない。

 政権与党は、目先の状況を改善する政策で一応成果を上げたのだから、今後は豊かさが持続する将来社会の構築に向けた長期政策へ舵を切るべきである。野党も、政権交代の旗を掲げるのはよいが、まずは与党の政策への厳しいチェックや対案提示を通じて国会論戦を活性化し、日本の政治や行政が人々の満足を真に高めるよう後押しすべきである。

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稲葉 延雄

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※この記事は、2018年1月1日発行のHeadLineに掲載されました。

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