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冷凍食品は「手抜き」ではなく「時短」!

=上手に活用して野菜のある食卓に=

2017年08月30日

社会・生活

企画室
岩下 祐子

 中学生と高校生の食べ盛りの息子2人を抱え、働く母としては、栄養バランスをとりながら品数の多い食事を準備し、ボリュームのある弁当を用意するのはかなりの試練である。その負担を少し軽くしてくれるのが冷凍食品だ。

 同じような年頃の子どもを持つ友人の中には、「冷凍食品は全く使わない」という人がいる。その理由を聞いてみると「美味しくないし、手を抜いているような気がするから」という。いえいえ、とんでもない!私だって、家族に美味しい手料理を食べてもらいたいと思っている。「冷凍食品を使うからといって、手抜きしているつもりもないし、愛情が減るわけではない!」と私は強く主張したい。

 私が愛用しているのは、「素材系」と言われるジャンルの冷凍食品だ。ほうれん草は下ゆでしてカットした状態、ブロッコリーやカリフラワーも小房に分けて下ゆでしてある。「野菜を下ゆでするくらい自分でやれば」という人もいるかもしれないが、出勤前の時間との闘いの中での弁当の準備や、疲れて帰ってきてササっと30分で夕飯のしたくをしなければならない時には1分1秒さえも節約したい。生野菜を水で洗い、切り分け、鍋で湯を沸かし、ゆでて、ザルで水切り――この5分間が節約できれば、野菜豊富なメニューにできるのだ。

 例えばチャーハン。ご飯と豚肉と卵とネギがあれば一応、チャーハンらしくはなるが、それではあまりにも炭水化物と動物性たんぱく質に偏ってしまう。そこで、炒めている途中で、冷凍のカットほうれん草をフライパンにバラバラと振り入れる。それだけで栄養のバランスもぐっとよくなるし、見た目もグリーンが一色加わると随分と彩りがよくなる。ブロッコリーやカリフラワーも弁当のおかずを一品増やしたいときに大活躍だ。レンコンの薄切りも、皮をむいたり、アク抜きする手間がかからないので、冷凍庫から取り出して直接フライパンに投入し、手軽にレンコンきんぴらを作れるところが気に入っている。しかも、シャキシャキとした歯ごたえは生のレンコンとほとんど代わりがない。

20170830_01.jpg(写真)筆者

 自分で作ると下ごしらえの時間がかかるメニューも、素材系の冷凍食品を上手く利用することで「時短」メニューとなり、レパートリーも増えていく。スーパーでは、冷凍食品を特売の目玉にしていることもあるので、安い時にまとめ買いしておくと、時間が無いときの救世主になってくれる。また、この夏は長雨で生野菜の価格が急騰したので、ストックしている冷凍素材には随分と助けられた。

 世間では、仕事と生活の両方に生き甲斐や充実を持つことができる「ワーク・ライフ・バランス」が重要だといわれている。残業規制などの議論も進んでいるようだが、「ワーク」と「ライフ」の時間配分だけでなく、「ライフ」の中でも時間の配分は重要ではないだろうか。

 仕事から帰ってきて、ひたすら食事のしたくに追われて、ゆったりと家族との会話をする間もなかったり、趣味や読書の時間を確保できなかったりしたら、それはそれで味気ない。ライフの中でも、バランスの良い時間配分をするために、冷凍食品を選択肢に加えてみてはどうだろうか? 「手抜き」などと罪悪感を覚えるのではなく、賢い時短術として。


岩下 祐子

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