- #納期短縮
プロファイル
企業 | 国内建築資材メーカー |
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部門 | 製品開発部門 |
3Dプリンター社内活用状況 | なし |
事例概要
- 住宅向けの建築資材は多様なニーズに対応するため開発品目が多い
- 開発時の社内レビュー時には数種類の試作品を用意しているが、レビュー直前での設計変更が多く発生し短納期で試作品の製作を行う必要があった
- 従来工法では数種類の試作品製作や仕様変更に対応した再製作には3~4週間かかり、また発注タイミングにより納期が異なるため開発工程のボトルネックになっていた
- 3Dプリンター出力サービスで製作したところ1週間で仕様変更できた
- 製作にあたってはリコー技術者がアドバイスを行い造形向きや後加工を提案し要求を満たすことが可能になった
従来はどのような課題があったのですか?
多様なニーズに対応するために開発品目は多く、バリエーションが多い
住宅にはトレンドがあるため、毎年のように新製品を投入していく必要があります。また多様化したライフスタイルに合わせたデザインが要求されるので、ドアノブ一つとっても、製品ラインナップを複数展開し市場投入していくことになります。製品デザインは1案だけですむことはほとんどなく、デザイン段階で数案が検討にかけられます。
社内協議の際にはデザイン画や図面だけではなく試作品を手に取りながら具体的な検討を行います。こうした社内レビュー工程を通じてよりよい製品を目指すのですが、社内レビュー直前に大きな問題が見つかり、設計変更を行う必要が出てくることは珍しくありません。複数のデザインパターンの試作品を作る必要があるため、試作品の納期調整は毎回苦労しています。他部門や上長からの意見が相次ぎ、社内レビューでの仕様変更が度重なると、開発プロジェクトの想定していたスケジュールに大きな影響を与える場合も少なくありません。
「一日でも早く!」仕様変更に対応した試作品が必要
試作品を調達するために試作会社に依頼する場合、工場の空き具合によっても納期は大きく変動するうえに、1点ものの試作品を数パターン用意する場合は短納期で製作できない場合があります。今回のドアノブの場合、社内レビュー直前に仕様変更が入ったため、再度3種類の最終候補を作り直し、一日でも早く機能試験をする必要がありました。試作品を普段依頼している製作会社に相談したところ、現場の空きがなく「納期は1か月以上かかる」と回答があり、急遽他の業者を探す必要がありました。
「1個からでも依頼ができて、複数パターンの試作品製作には3Dプリンターが向いている」と聞いた記憶を頼りに、インターネットで検索したのです。3Dプリンターで造形の依頼ができる業者を検索したところ、短納期で造形が可能で、3Dプリンターの活用が初めてでも技術者に相談できるため安心して依頼できる「リコー3Dプリンター出力サービス」に見積り依頼することにしました。
3Dプリンターでどのように課題を解決されましたか?
「リコー3Dプリンター出力サービス」では造形方式や造形材料のラインナップがたくさんありましたが、どの造形条件がいいのか分からず、まずは納期優先で見積り依頼をしました。しかし3Dプリンターで製作することは初めてでしたので、当初は今回の試作品が希望通りに製作してもらえるのか、納期は間に合うのかが心配でした。そうしたら、見積り依頼後すぐにリコー3Dプリンター出力サービスの担当技術者と電話で相談することができ、しっかり試作品の用途や希望を把握してもらったうえで造形条件の選定と見積りをもらえたので、安心できました。
今回技術者と相談した結果、納期を優先してFDM(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層)方式(MEX方式)の3Dプリンターで造形することにしましたが、層を重ねるように造形していくため、モデルの造形配置により強度、ネジ穴精度、積層段差(表面の仕上がり)などに違いがでるとのことでした。ドアノブの機能試験を行うために握る部分の強度はもちろん、ネジ穴部の強度も必要でしたので、技術者からのアドバイスにより、ドアノブを捻った際に破損しないような造形時の積層方向に配慮した配置で造形を依頼することにしました。
もう1つ技術者から提案してもらったのは、M6ネジ穴部の精度出しでした。FDM方式(MEX方式)で納期および強度に重視した配置で造形した場合、完全なネジ山が形成されない可能性があると事前に説明を受けましたが、今回はドアノブを取り付けて機能確認をすることが求められました。「リコー3Dプリンター出力サービス」では穴径仕上げ、ネジ加工、研磨、塗装等の様々な仕上げ加工も対応しているとのことで、ネジ穴の精度は追加工で対応することを提案してもらいました。
技術者の説明をうけて、納期および試作品の機能(取り付け部の強度)を重視した造形方式・積層方向、ネジ穴の精度を出すために穴径仕上げで造形を依頼しました。
3Dプリンター導⼊後の効果はいかがですか?
社内レビュー直前の仕様変更でスケジュールに大きな影響が発生する懸念がありましたが、1週間程度で機能確認および社内レビュー向けの試作品を製作でき、影響を最小限に食い止められました。
RESULT01
Qualityの改善
- 技術者のアドバイスにより、ドアノブをひねった際に破損しない強度が必要だったが、最適な造形配置とネジ穴精度仕上げ加工により、問題なく機能試験ができた
- 社内レビューに備えた改良試作を望んだクオリティで3パターン用意できた
RESULT02
Costの改善
- 形状違いで3パターンの試作品を短納期で用意が必要だったが、現実的な費用で仕様変更に対応した予算で試作品を用意できた
RESULT03
Deliveryの改善
- 技術者のアドバイスにより、希望通りの機能を満たした3パターン試作品を1か月以上かかると見込んでいたが1週間で調達できた
- 解決した製品/サービスはこちら
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豊富な保有設備と社内外の造形依頼に対応してきた経験を活かした造形サービスをおこなうリコーの3Dプリンター出力サービス。 造形サービス以外にも、プリプロセス(2D図面からの3DCADデータ起こし、モデル実物を3Dスキャニングし3Dデータ化など)や研磨や塗装などの後加工もワンストップで提供。
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Why RICOH
(リコーだからできる事)
リコーは3Dプリンターをものづくりの現場で20年以上にわたって活用してきました。
製品の試作に始まり治具製造、さらには最終製品製造へと適用範囲を広げております。
2014年以降、自社で蓄積してきたノウハウを活かして
3Dプリンターの販売や3Dプリンター出力サービスを提供しております。
3Dプリンター出力サービスでは、お客様のご要望やご予算に合わせて
最適な造形材料・造形方式・後加工などをご提案しています。
従来の加工方法(切削/射出成型など)とは異なる、
3Dプリントの特性を最大限に活かした造形を丁寧にご支援します。